標的の確認、OK。
傍にいるのはイッキ。その隣にいてあの身長、確実に彼だ。



・・・作戦実行位置、OK。
廊下でなら、真っ直ぐに跳べる。視界は良好、邪魔するものはなし。



――――――――――― ・・・眼帯の位置、OK。
眼帯は右に、右目は閉じてる。・・・最後のコレが、1番重要。



・・・Ready?



――――――――――― ・・・準備は良い?
自分自身に問いかける。・・・勿論だよ、OK。



Go!!!



心の中で掛け声をかけ、はA・Tを履いていない足で、思いっきり廊下を蹴った。








▽ body communication ▽








「亜紀人ーーーーーーっ!!!」

「きゃんっ!!」




がちょっと(?)助走をつけて飛びつくと
亜紀人は女の子みたいな甲高い声をあげて、呆気なく廊下に倒れ込んだ。
同い歳のはずなのに、イッキたちと比べて随分と小さな体は
女の子のでも、思わずぎゅっとしたくなるほど可愛い。




「ぎゃっ!が真っ昼間っから亜紀人押し倒してやがるっ!!」

「またかよっ!?」

「くっ!おいしすぎるシチュエーションだぜ、亜紀人のヤロウ!!!」

「家でもあぁなんだぜ、あいつら。ほっとけほっとけ近づくな、俺はもう見慣れた。」




カズが真っ先にそれに気付いて、イッキがまたかと口をあける。
くっ!と拳を握ったオニギリを綺麗に無視して、疲れたようにそう言い捨てると
イッキは出来るだけ関わりたくないとばかりに、亜紀人とから素早く距離をとった。

イッキたちが好き勝手騒ぐのはいつものこと、だから全然お構いなし。
は亜紀人が頭をぶつけないよう注意して、彼を完全に押し倒してから
亜紀人の上にまたがって、逃げられないように押さえつける。
それから人差し指で、ツッーーっと亜紀人の顔をラインをなぞった。




「フフフ、亜紀人はいつ見ても可愛いね・・・・・・ねぇ、本当に下半身にツイてるの?」(下品)

「痴女だ!痴女がここにいるぞ!!」

「やかましいんだよ、覗き見常習犯のブタが(酷)」




喚きたてたオニギリを、はツッコミという名の元に切り捨てた。




「イッキくーん、助けてーーー!!」




状況を察した亜紀人が、の下でジタバタともがいて、イッキに助けを求める。
その仕草に、は瞳を細めて、亜紀人との距離を詰めた。




「邪魔しないよね?イッキ・・・?」

「・・・亜紀人。俺のためにもの愛を受け取ってやってくれ・・・ッ!!!」




が微笑みかけると、イッキは涙を流すフリをして、達から顔を背けた。
イッキにとって、野山野家に住むリンゴ以外の女性には(時にはリンゴもだけど)
どうやって足掻いても勝てない、何かがあるらしい。
イッキの返答に満足して、が再び亜紀人へ視線を向けようとした、そのときだった。




「・・・なんなら今から確かめてみるか?ファック!!」

「・・・・・・ぃっ!?」




そんな、悪魔の声が聞こえてきたのは・・・




「あ、アギッ!?・・・わぁっ!」




名前を呼ぶ前に、思わぬ力で体を押し返された。
当然その勢いで、必然的に廊下に尻餅をつく羽目になる。




「ちぃっ!スパッツかっ!」




オニギリのそんな声が聞こえてきて、カチンときたが1発殴ってやろうかと思う前に
すかさず耳元で、ビュッ!と何かが風を切る音がした。





ドガ!!





「ファックッッ!!!テメェ、どこ見てやがった!?あァッッ!?」





アギトの蹴りは、A・Tを履いていなくてもかなりの威力があるらしい。
小さくヒビの入った壁の近くで、紙一重でアギトの攻撃をかわしたらしいオニギリが
アギトに睨まれ、蛇に睨まれた蛙状態で固まっていた。






い、今のうちに・・・!!






今を逃せば後はない・・・!
そう思って、四つん這いのままこっそりと歩き出したの努力は
虚しくもたったの2歩で無駄に終わる。





ガシッ!





「へ・・・?(汗)」




何かが腰に絡まりつき、の動きを止めた。
・・・誰かの腕。もしかしてもしかしなくとも、十中八九アギトの腕だ。
認識した途端、サーッと顔から血の気が引いていくのが、自分でもわかった。




「誰が逃がすかよ!!」

「ぎゃーーーッ!!耳に息を吹きかけるな、息をッ!!!!」




そのまま引き寄せられて、はまんまとアギトの腕に収まってしまった。
ばたばたと出来る限りに暴れると、耳元で“暴れるな”と呟かれて
は多分紅くなっているだろう頬を押さえ、またそれに悲鳴をあげる。
アギトがクックッと邪悪な笑みを洩らすのが小さく聞こえた。





・・・絶対に確信犯だろ、コイツ。今度A・T履いてるとき覚えてろよ、クソチビが。





そんな誓いを立てたは、強制連行される途中
あまり頼りにならないとは思いつつも、ぼーっと成り行きを傍観している、イッキとカズに向けて叫んだ。
(既にオニギリは、アギトによって戦線離脱させられていた。)




「カズ、見てんなら助けろ!!!イッキ、お前もだよっ!」




は叫ぶと2人は顔を見合わせて、それからヤケに哀愁の漂った表情でこちらを見た。




「すまん、俺には無理だ・・・。」

「まぁ、こうなることは目に見えてたしな。・・・俺の身の安全のためにも諦めてくれ、!」




どこから取り出したのか、ハンカチで目元を押さえるカズと
ビシ!と敬礼をしてを見送るイッキ。




「イッキ、てめぇ家に帰ったら覚えとけよ・・・・ッ!!!!切り刻んでやるんだからっ!!」




まるで、戦時中の特攻隊を見送るような眼差しのイッキに、は捨て台詞をぶちまける。
一瞬、イッキの頬が引き攣ったような気がしたが、イッキは平静を装っていた。
そんなことを言っている間にも、どんどんどんどん何処かへ連行されていく。

懇親の力で踏み止まってみても、あっさりアギトに封じ込まれてしまうし
耳元で大声を出して喚けば、“口塞ぐぞ”と、脅迫(?)めいたことを言われる。
確固たる目的を持ってスタスタと歩くアギトに
今後の展開が簡単に予測出来てしまって・・・は思わず身震いをした。




「・・・い、嫌だーーーッ!放せ放せーーっ!!そしての亜紀人を返せッ!!
お嫁にいけなくなっちゃうよーーーっ!!!」





せめて、がA・Tを履いていれば・・・ッ!!(後悔)





「・・・ツイてんのかって聞いてきたのはそっちだろ?だからみせてやるって言ってんじゃねェか。
まぁ、俺にしても亜紀人にしても。嫁に来るとこは同じだ、安心しろよ。」

「誰が安心出来るかッッッ!!!!」




力一杯怒鳴るを軽く無視し、アギトがイッキに振り返る。




「・・・そんなワケだ、俺とは次サボるぜ。じゃあな!」

「ふざけんなッ!その薄汚い手を離せーーーー!!!・・・〜〜〜っ!いやあぁぁぁぁぁッ!!!








そのあとが、上手く咢から逃げ(おお)せたかは・・・神のみぞ知るところらしい。













戯言。


・・・なんでしょうか、この駄文は・・・・・・(滝汗)
なんだか今までに類を見ない駄目っぷりを、遺憾なく発揮しているような気がします。

はてさて、解説に入りますと、咢&亜紀人と
いつもこんな感じの生活を送ってるんだよ〜っていうお話でした。
は汚いセリフを吐かせられるので、それを考えるのが任那の楽しみです(笑)
・・・っていうか実際、任那言葉遣いが物凄く汚いのですよ。
男勝りとかってレベルでなく、男そのものです、そのもの!!(力説すんなや)
なのでこういう口調でOKってことになると、非常〜〜〜に楽で困ります(苦笑)

実はこの日常生活編(いつそんな名前が!?)
もう数パターン、同じようなお話があったりします・・・!!
結局はが亜紀人追い掛け回して、咢がに迫ってるだけなんですけどね。
好きなんです、そういう話(笑)だって微笑ましくないですか?
当人達がどう思ってるのかは別として旗からみるには。(ぇ?)





ブラウザバック推奨。